院長のコラム

“ドクトル・イトウの地球の果てまで“ 世界60ヶ国以上を訪れた、院長のちょっと変わった見聞録

第99回 アウシュビッツ強制収容所2(ポーランド):ホロコーストという負の世界遺産

前回で紹介したアウシュビッツ博物館の様子を見て、映画などで見るアウシュビッツのイメージとずいぶん違うな、と思われた方も多いのではないだろうか。
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実はオシフィエンチム(アウシュビッツ)の郊外に第2アウシュビッツと呼ばれる、もう一つの収容所、ビルケナウ強制収容所があるのだ。写真右下角にある「AUSCHWITZ I」と書かれた施設が、前回紹介した元々のアウシュビッツ強制収容所で、元はポーランド人政治犯やソ連兵捕虜が収容目的であったので、施設もあまり大きくはない。その後、アウシュビッツの目的がユダヤ人の大量虐殺となり、ユダヤ人を大量に収容し、「処分」する施設が必要となって、近辺の広大な敷地に粗末な収容施設が急造された。写真左の破線で囲まれた施設「AUSCHWITZ II」はそのビルケナウ強制収容所(第2アウシュビッツ強制収容所)だ。
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貨車に詰め込まれたユダヤ人達が、列車ごと施設の中に運ばれていく。映画でよく目にするワンシーンだ。
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アウシュビッツでは学生らしき集団をよく目にする。イスラエルから来た学生達だ。彼らは修学旅行のようにこの地を訪れ、先祖達が受けた苦難を学ぶらしい。
一つ興味深い話を聞いた。こういったユダヤ人学生のグループには必ず、セキュリティー(警護員)が同行しているといのだ。我々からは理解できない感覚だが、今もなお、そういった恐怖感や危機意識を持っていると言うことなのだろうか。イスラエルという国が、セキュリティーの非常に発達した国である意味が少しわかった様な気がした。
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大半の収容施設は壊されて今は残っていない。
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収容施設であったバラックが一部に残っている。前回紹介したレンガ造りのアウシュビッツとは比べものにならない、粗末な建物だ。この施設でむかえる冬のビルケナウは、想像を絶する寒さであっただろう。
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もちろん、収容所の周囲は鉄条網で囲まれている。
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ビルケナウが、いかに広大な敷地であるかということがわかるだろうか。
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ドイツ軍が敗北し、証拠隠滅のためにガス室は爆破され、今は残骸だけが残っている。
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運命を分けた、二手に分かれた線路。
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労働力になる者は収容され、子供や老人、病人など労働力にならない者達は、そのままガス室送りとなった。
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これがトイレだ。
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映画「シンドラーのリスト」で、子供がこの中に隠れていた様子は印象的だ。
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収容者達は粗末な三段ベッドに詰め込まれていた。
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当時の様子だ。

もう一つ興味深い話を聞いた。このアウシュビッツ博物館やビルケナウ強制収容所の施設維持管理に、ドイツ政府が今もなお費用を負担しているというのだ。自らの戦争責任を明白にし、今もなおその賠償を続けている。この辺は日本の韓国や中国に対する対応と少し異なるような気がする。
なかなか書けなかった題材を敢えて書かしていただいた。こういった感想や評価は人によって異なるのであろう、しかし、人類史上で最も残酷な行為が、組織的に理路整然と行われていた場所であったことには違いない。人間にはこういったことが出来る恐ろしさがあることを、我々は認識しなくてはならない。

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