大阪 城東区の内科、循環器内科クリニック。循環器疾患、生活習慣病の管理、花粉症などアレルギー疾患、禁煙外来対応。
“ドクトル・イトウの地球の果てまで“ 世界60ヶ国以上を訪れた、院長のちょっと変わった見聞録
その国の社会保障の程度を知るには、現地の公的医療機関を見るのが一番だ。ちょうどカブール郊外の公立病院を訪問する機会があったので、その様子を紹介する。建物の外観が写せていないのだが、この地域では中心となるべき病院である。
写真は診察室の様子。いすとベッド以外に何もない。
これはこの病院のお医者さん達と撮った記念撮影。何か。。。。
忙しそうに働いている様子は無かった。。。
これは病院薬局の薬品棚。何も無い。
悲しいぐらいに何も無い。これがアフガニスタンの現状だ。
これは病室の暖房器具。カブールは内陸の盆地で冬は非常に冷え込む。
病室内の様子を撮らせていただいた。結構たくさんの患者さんが入院していた。
何かを訴えているようだ。
中には我々とよく似たモンゴル系の顔つきの人もいる。恐らくハザラ族の人だろう。
廊下で歓談中の患者さん達。
小さい子ども達も入院していた。カメラを珍しそうに見ていた。
額には何を塗っているのだろう。
無表情な人たちが多い病室で、少女達の笑顔に少し救われた。
少女達はカメラを向けると恥ずかしそうに微笑んでくれた。
国が混乱する中、医薬品だけでなく、医師や看護師などの教育も遅れ,その絶対数が不足している。
一般に医学の遅れた途上国では、優秀な医師達は欧米で学び、その知識と技術を持ち帰る。アフリカでも、旧宗主国のイギリスやフランスで研鑽したドクター達がたくさんいた。でもこの国にはそういった交流もあまりなさそうだ。
この病院には薬が無い、検査機器など皆無である。でも患者はたくさんいる。ヒト?モノ?援助をするといっても、どこから手をつけて良いのか途方に暮れてしまう。
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どんなに治安が悪い街でも、人々が生活しているところには市場(バザール)がある。また、市場をみれば、人々の暮らしぶりがよくわかる。当時のバザールは、外国人が観光ムードで入っていけるような雰囲気ではなかったのだが、視察がてら車から少しのぞいてみた。
イラクには立派な近代的ショッピングセンターがあるのだろうが、ここにはそんなものはない。その代わりに、売り手と買い手の活気と熱気で溢れたバザールがある。
ものの善し悪しは別として、ありとあらゆるものが売られている。
ケバブ(串焼き)を売る陽気なおじさん。この顔を見ていると、そんなに危険な場所とは思えないのだが。。。
女性達はみなブルカを被っている。ブルカの顔の部分はメッシュになっていて外が見えるようになっているのがわかる。確かに街で女性を感じることはない。これが健全なのだろうか?
ブルカの下は意外と自由なのだろう。
アディダスのロゴの下にナイキのマークが??中国製か?
いかにもアフガニスタンという感じのおじさん。
食料品、衣料品、日用品と色んなものが売られている。その売られ方がまた面白い。
ブルカ姿の女性が井戸端会議のように集まる露店。いったい何を売っているのだろう。
女性のブルカ着用など性的に抑圧された雰囲気の中、なぜか女性用の下着は店頭で無造作に売られていた。この辺の対比がおもしろい。
もちろん色んな豆や香辛料も売られていた。
自分にとって一番不思議であったのがコレ。なぜか背広の上着がこういった形(裏地を表にして、きれいに重ねてある)で陳列されている。何で??表地がホコリで汚れるのを防ぐためなのか?型くずれを防ぐのか?それにしても今まで見たことのない売り方だ。
これは肉屋の様子。イスラムの国では主に羊と鶏を食べる。これは羊の肉だ。独特の匂いが周囲に漂う。スーダンでもペルーの地方都市でも同じように売られていた。肉の売り方は世界共通なのであろう。
冷蔵のパック売りが当たり前の我々には、なかなかなじめない光景なのだが、ほんの少し前までは世界中で見られた光景なのだろう。
余談:このバザールには食事に使う皿を買いに行った。大中小とセットになっていて、見た目は立派な箱に入った皿を買ったが、どれ一つとして裏が平らでなく、置くとガタガタしてまともに使えない。交換に行っても皆同じであった。こういった無法地帯の国には、どうも一般には売ることの出来ないような、本来は廃棄されていなくてはいけないような物が、市場に出回っているように思える。
スーダンでは国連が難民用に援助したイタリア米が、街の商店で売られていたし、世界中で問題になり廃棄されたはずである遺伝子組換えの小麦粉が、市場に出回っているという噂もあった。世界中の危険な物や不要な物が、裏でこういった国々に流れ込んでいるのであろうか。
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アフガニスタン編の最終回はカブールの子供たちを紹介する。
世界最貧国の一つで、衛生・医療事情も最低レベルの国で、自分が見た子供たちの顔は意外にも明るかった。
これはあくまでも自分の推測に過ぎないか、数十年続く政治的混乱の中で生まれ育った彼らは、この厳しい状況に慣れてしまっているのかもしれない。
道ばたでたばこを売る少年
外国人相手に絵はがきやパンフレットを売る少年
八百屋で会った少年
郊外の村で井戸汲みをしていた子供たち
カメラを構えると集まってきた少年たち
ゴミを集め運ぶ少年
背中にいっぱいになったゴミを運んでいる。
バザールですごく愛嬌のあった少年
障害者の学校でまじめに授業を受けている子供たち。こういった施設も海外からの支援で運営されている。
少女達もショールを被っている。
何か頭の良さそうな少年
カメラを構えると皆無邪気に寄ってくる。
この子達は何か照れくさそう。
働いている子供たちをみると、恐らく学校に行けていないんだろうなと思う。
どこか明るい表情と澄んだ眼に心が少し救われた。
早くこの国に安定が戻り、この子たちが皆、学校に行ける未来が来ることを心から願う。
最後に興味深い絵はがきを紹介する。タリバンに破壊されたバーミアンの仏像で、破壊される前と破壊後。
絵はがきのネタにされているのが何とも寂しい。
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