院長のコラム

“ドクトル・イトウの地球の果てまで“ 世界60ヶ国以上を訪れた、院長のちょっと変わった見聞録

第197回 北海道の大自然を撮ってみたい その9:音羽橋の"けあらし"(釧路)

2日目の朝はマイナス26度まで冷え込んだ。完全防寒して、三脚の場所取りに、夜明け前の真っ暗闇の中、音羽橋へ向かう。
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少し夜が明けてきた。"けあらし"が起こっている。この雪裡(せつり)川は、地下水が湧き出た川で凍結しないため、極寒の日には、川面の水蒸気が冷やされて"けあらし"とよばれる霧が立ちこめ、幻想的な景色となる。
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この場所を訪れるほとんどのカメラマンは、この"けあらし"を求めてやって来る。
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とにかく寒い。気温はマイナス26度だが、橋の上はさらに冷え込む。
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"けあらし"のなかのタンチョウは本島に幻想的で美しい。
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朝日が差し込んでくると、輝き出す。
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今年は美しい"けあらし"を見ることが出來た。
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いつもの祠に立ち寄ってみると、
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いました、いました、いつものように和やかに。
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この祠では、つがいのエゾフクロウを見ることが出來るようなのだが、未だにつがいに出会えた事は無い。


第198回 北海道の大自然を撮ってみたい その10:シマフクロウ再び(羅臼)

今回は自身初の流氷とワシの撮影に知床の羅臼へ。
初日は夕刻に到着し、そのまま、シマフクロウの撮影で有名な"鷲の宿"へ直行。
2000年の夏(第192回)に訪れから、2度目の訪問だ。
横に15mぐらいはある撮影小屋の窓の前には、すでに望遠一眼をセットした三脚でぎっしり満員状態だ。夜7時より、長い長い待ち時間が始まった。シマフクロウの出現を待って、皆同じ景色を眺めながら、ひたすら待つ。恐らく夜12時頃までは、20人以上はいたと思われるカメラマン達は徐々に減っていき、午前4時過ぎには、老夫婦と院長の3人になってしまった。ちなみに前回の訪問時も、最後の最後、午前5時過ぎにシマフクロウがやって来た。今回も開き直ってねばってみた。
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すると、午前5時過ぎに、本当にシマフクロウがやって来た。
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中々、いい角度に向いてくれない。
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少しこっちを向いてくれた。
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今回は方向が悪い。
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背を向けてエサを食べ出した。
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最後のひと飲み。
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そして、とっとと飛び立っていってしまった。でも院長は遭遇率100%。

第199回 北海道の大自然を撮ってみたい その11:流氷とワシ(羅臼)

以前より、一度は見てみたいと思っていた、流氷。この時期に知床に来れば見れるものと思っていたが、流氷の状況は日によって異なり、岸に寄ってくる日もあれば、遠ざかる日もあるらしい。
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今回は羅臼の港から、船で流氷の中を進み、エサを求めてやって来るワシを撮影するというツアー。
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運良く、見渡す限り、流氷が広がっている。
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流氷とワシを求めて、世界中から写真好きがここに集まってくるらしい。
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極寒の中、皆、デッキに出て夢中で撮影する。
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何とも不思議な光景で、ワシたちが群れをなしてやって来る。
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ここには2種類のワシが集まってくる。
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ひとつが、このオジロワシ。
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色は茶色ですごく精悍な顔立ち。
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羽を広げると、またカッコイイ。
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目つきが鋭い。
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飛んでる姿も雄大でカッコイイ。
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するどいくちばし。
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もう一つが、オオワシ。
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色は黒白で、オレンジのくちばしが、オジロワシよりも大きいのが特徴だ。
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こちらも、青い空と白い雲、流氷とのコントラストが美しい。
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羽を広げた姿には迫力がある。
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ワシどおしの小競り合いも面白い。
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オジロワシとオオワシのツーショット。
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この2種類のワシどおしが仲が悪いというわけでは無く、混ざり合っている。
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大きく翼を広げた姿は雄大だ。
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着陸してくる姿は、怪獣ラドンのように見える。
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と言うよりも、怪獣ラドンのモデルはオジロワシではないかと考えてしまう。
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魔法使いのおばあさんのようにも見える。
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あちこちで色んな姿を見せてくれる。
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みんな、色んな方向にレンズを向けて撮影している。
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船からエサの魚を撒くのを知っていて、ワシたちは集まってくるのだが、野生のワシには違いない。
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これだけのワシが群れて集まる場所は、世界でも珍しいらしく、世界中からカメラマンが集まってくるのだそうだ。
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院長の今回のベストショットかな。。


第200回 北海道の大自然を撮ってみたい その12:野付半島から風蓮湖へ(根室)

今回、知床半島から根室周辺の撮影を計画していて、「野付半島」という名前を初めて知った。自然が作り出した何とも珍しい砂嘴(さし)と言われる地形で、砂州の様なものだろうか。全長は約26kmもあり、日本最大とのこと。
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この半島で囲まれた部分が、冬は凍り、何とも荒涼とした景色を作り出す。
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「この世の果て」なんて表現が使われたりする。
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自然の宝庫でも有り、オオワシやオジロワシ、野生のエゾジカやキタキツネが出没する。
春、夏には様々な野鳥や、高山植物を平地で見ることができるらしい。
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目の前で見るエゾジカは、がっしりと大きく迫力がある。
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角を突き合わして、喧嘩をはじめた。
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これが「この世の果て」と言われる、トドワラ(立ち枯れしたトドマツの林)の景色だ。
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南に2時間ほど南下して、根室半島の付け根にある風蓮湖へ。
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ちょうど夕暮れ時に到着し、遊歩道を歩いてみた。湖はうねりながら凍っている。
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夕日が真上に伸びている。
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調べてみると、「太陽柱(サンピラー)」という寒冷地で見られる珍しい現象らしい。

第201回 北海道の大自然を撮ってみたい その13:風蓮湖に群れるワシ(根室)

根室半島の付け根にある風連湖は、羅臼の流氷船のワシと共に、ワシ撮影では有名な場所だ。
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湖の真ん中にオオワシとオジロワシがまるでカラスの群れの様に集まってくる。それを撮影しようと、カメラの三脚がずらりと並ぶ。
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元々は漁師さんが、採れた魚の残りを「捨てる」のを目当てにワシが集まりだし、それが冬の風物詩になったようだ。
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茶色い方がオジロワシ。
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餌に群がる姿は、オオワシもオジロワシも関係なく、まさに取り合い。
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色が黒白でくちばしがオレンジなのがオオワシ。
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日本最大の猛禽類は羽を広げると大迫力、
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飛んでる姿は、なんともカッコいい。
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乱舞という感じだ。
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他の地域では、一羽見つけても大興奮なのに、これではありがたみが無くなってしまう。
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湖のほとりの林を見てみると。
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まさにワシのなる木だ。


第202回 北海道の大自然を撮ってみたい その14:シマエナガ(根室)

近年、大ブレイクしている「シマエナガ」。ワシの撮影に来た風連湖で、ひょんなことからシマエナガの撮影をすることができた。
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このシマエナガ、北海道じゅうに生息していて、遭遇することはそう珍しいことでは無いそうなのだが、撮影するとなると、かなりの高難度。
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とにかくじっとしていない。来たかと思うと、すぐに飛んで行ってしまう。
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シジュウカラとシマエナガのツーショット。
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羽を広げるとこんな感じ。
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スズメかな?
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ハシブトカラ。シマエナガを待っているといろんな鳥を見ることができる。
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シマエナガが必ずやってくるという場所で、三脚を立ててじっと待つ。するとシマエナガの群れが突然やってくる。
本当にじっとしてくれない。枝から枝へ、あちこちとび回って、数分でさっと消えてしまう。
数十分まっていると、またやってくる。この繰り返しで、撮影はドタバタ。
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ペアでパチリ。
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シマエナガのこの愛らしい姿は冬だけのようで、冬毛がそうさせているそうだ。夏は普通になってしまうらしい。。
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羽を広げた姿も、なんか独特。
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なかなかこっちを向いてくれない。
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シマエナガを待っている間に、アカゲラ(キツツキ)をゲット。
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やっぱり、小さい目がなんとも愛らしい。
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これが今回のベストショットかな。


第203回 立山のライチョウを撮ってみたい:立山(富山)

一度は行ってみたかった「雪の立山黒部アルペンルート」、「雪の大谷」で有名だが、4月中旬から6月下旬までの限られた期間しか行くことができない。
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「立山黒部アルペンルート」の起点、室堂駅。この期間は定期バスでしか来ることはできない。
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室堂の景色、一面の銀世界。
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ハイキングルートも池も雪で全くわからない。
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雪の大谷を歩いて散策。この年の高さは最高18メートル。
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バスと比較するとその高さがよくわかる。自分がイメージしていた景色と少し違う。昔の写真と見比べてみると、道路が2車線になっている。以前は一車線だったので、バスのすぐ横が雪の壁という感じだった。今はGPSを頼りに掘り進んで行くそうで、技術の進歩で2車線の道路を掘ることができるようになったのだそうだ。
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今回のもう一つの目的は、ライチョウを撮影すること。
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保護色でわかりづらいが、写真の真ん中にライチョウ発見。
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寄ってみると。
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これがライチョウのオス。
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絶滅危惧種のライチョウを、はたして撮影できるのかと心配していたのだが。。。
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ライチョウを見つけるのは意外と簡単だった。ライチョウはハイマツという低木の中を済みかとしていて、ハイマツの周辺で人だかりができているところを見つければ、以外と簡単に遭遇できる。
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ライチョウには天敵が多く、人間は襲わないことがわかっているので、天敵から身を守るために、敢えて人間に近いところで生活するらしい。
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真っ白い方がメス。
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仲良くつがいで。

第204回 石垣島のフクロウ:(石垣島)

特に目的も無く、友人を訪ねて石垣島へ。
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インスタで有名な、「名蔵の一本木マングローブ」、あいにくの雨で残念。。
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石垣島にもフクロウがいるとの噂を聞き、早々、ナイトツアーへ参加。昼間は普通の自然公園の中を、耳をすませて、暗闇の中を車で進んでいく。早々に「アカショウビン」を発見。
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はじめて見る鳥に興奮。南国らしい鳥だ。カワセミの仲間らしい。
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そのすぐ近くで、今度は「リュウキュウアオバズク」を発見。
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眼が大きくて、かわいいフクロウだ。
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鳴き声を頼りに探し回っていると、とうとう発見、「リュウキュウコノハズク」。
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じっとこちらを睨んでいるかのような、精悍な顔つき。
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こちらは、かっこいいフクロウだった。天気には恵まれなかったが、鳥には恵まれた石垣島ショートトリップだった。

第205回 北海道の大自然を撮ってみたい その15:エゾモモンガ(帯広)その1

「ドクトル・イトウの地球の果てまで」も14年目に突入、開業以来、何とか途絶えることなく続けている。今年こそ海外ネタをと考えているのだが、年始はまたまた北海道からスタート。今回は帯広で「エゾモモンガ」の撮影に挑戦。
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十勝川も雪化粧。鴨がたくさん飛来している。
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十勝川で有名な白鳥。
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タンチョウを発見。
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雪景色にタンチョウはよく似合う。
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タンチョウは、他の鳥とはひと味違って、どことなく気品がある。
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森に入っていくと、エゾリスが出てきた。
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結構大きいのだが、とぼけた表情が愛らしい。
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野鳥も色々やって来る。
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シジュウカラをうまく撮ることができた。
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突然、シマエナガがやって来た!!
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やはりじっとしてくれないので、今回もこれが限界。でもラッキーだった。
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これが、エゾフクロウの巣穴。エゾフクロウの撮影は夜明け前と日没時のそれぞれ30分のみしかチャンスが無い。
夜行性なので、朝は巣穴へ戻る様子を、夕は巣穴から出てくる様子を狙う。しかも、予定通りに現れてくれるとは限らない。この日も早朝から撮影に臨んだが、朝は結局現れなかった。
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ラストチャンスの夕方、巣穴から、ひょっこりと。。

第206回 北海道の大自然を撮ってみたい その16:エゾモモンガ(帯広)その2

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夕暮れどき、足場の悪い雪の上に三脚を立てて構えていると、本当に「ひょっこり」と顔を出した。
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そーっと出てきた。
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しっぽを背中に貼り付けて、何ともかわいい。
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すすっと木を登って、枝の上で一心不乱に木の芽を食べ出した。
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丸まって食べてる様子が、かわいい。
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食事中は結構同じ場所にとどまってくれるので、撮影は一見、やさしそう思えるのだが、超望遠での撮影であること、日が暮れてどんどん暗くなってくるのと、常にモグモグと口を動かしているので、ピントを合わすのが至難の業。
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小さな枝の上で、必死に木の芽を食べている。数メートルぐらいまで近づいても反応しない。
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初めてのモモンガに、こちらもテンションMAXで、あちらこちらでのモモンガの行動に、こちらが右往左往の状態だ。一匹が木に登りだした。
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じっと構えている様子で、
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なんか飛ぶような気配。
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飛びました!!イメージした通りの滑空スタイル。ちなみに「モモンガ」と「ムササビ」の違いは大きさ。エゾモモンガは頭と胴体で15センチほど、ムササビは30から50センチもあるそうで、空飛ぶ座布団と評されるそうだ。
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これ、本当に1秒ぐらいの出来事。
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よほど慣れたひとでないと、狙って撮れる様なもんじゃない。
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念のためにと、iPhoneを三脚に固定して、ずっと動画を撮影していて、それに偶然、2回の飛行が写っていたというわけだ。
モモンガが実際に飛ぶ様子をムービで。これでも2倍スロー再生にしている。実際は1秒ぐらいのほんの一瞬。
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最後に、帯広の自然公園でエゾリスを撮影。
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こちらは、いくらでも出てきてくれる。

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