院長のコラム | 2012年7月

“ドクトル・イトウの地球の果てまで“ 世界60ヶ国以上を訪れた、院長のちょっと変わった見聞録

第47回 クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナの旅1:ヨーロッパの穴場

舞台はいったんヨーロッパに戻って。
世界をあちこち旅してきたというと、お勧めは何処ですか?とよく尋ねられる。趣味嗜好によって旅先の善し悪しは変わるのだが、自然の景色好きの自分は、院長イチオシのヨーロッパの穴場、クロアチアをお勧めする。
クロアチアと聞いてピンと来ない人も多いと思う。
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クロアチアは1991年に旧ユーゴスラビアから分離独立した国で、バルカン半島の付け根に位置し、アドリア海に面してイタリアと向かい合う。歴史的には海岸部のダルマチア地方はベネチア共和国の属州であったことからも、ローマ帝国の影響を強く残している。食事もイタリア料理に近く非常に美味しい。
クロアチアは山、美しい海、歴史建造物、美味しい食事と色んな要素を満たしてくれる。今回はクロアチアの行程に加えて、数奇な歴史をたどった、ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボにも足を伸ばし、今もなお深く残るボスニア紛争の傷跡も垣間見た。まずは全体をさっと紹介する。
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まずはクロアチアが誇る世界自然遺産のプリトヴィッツェ国立公園。立体的に滝で繋がる湖とエメラルド色で透き通った湖水が神秘的だ。
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ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボ。サラエボの冬季オリンピック会場は今、大きな墓地となってしまっている。
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ボスニア紛争後に再建されたモスタルのスタリ・モスト(古い橋)は世界遺産に登録されている。
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「アドリア海の真珠」 ドゥブロヴニク。実際は異なるようだが、ジブリアニメ「魔女の宅急便」の舞台の様な街。
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アドリア海に浮かぶ島々のビーチ、これもジブリアニメ「紅の豚」そのもの。熱帯の珊瑚礁の海ではないが、とにかく海がきれいだ。
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クロアチアのビシェヴォ島では、本家カプリ島に勝るとも劣らない「青の洞窟」がある。
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ローマ遺跡のような街スプリト。
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クロアチアの首都ザグレブ。地味だが何か感じのいい街だ。
次回からそれぞれのスポットを詳しく紹介していきたい。

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第48回 クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナの旅2:プリトヴィッツェ国立公園

今回の旅程はクロアチアの首都ザグレブの空港でレンタカーを借り、陸路でプリトヴィッツェ湖群国立公園ーサラエボ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)ーモスタル(ボスニア・ヘルツェゴビナ)ードゥブロヴニクースプリト、スプリトから船でアドリア海の島へ渡り、帰りはスプリトから寝台列車でザグレブへ戻る行程だ。
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まずはクロアチアが誇る世界自然遺産のプリトヴィッツェ湖群国立公園をめざす。
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これがプリトヴィッツェ湖群国立公園の案内板。16の湖が立体的に8kmにわたって滝でつながって、美しい景観をつくり出している。
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公園内には所用時間によって何通りもの散策ルートがあり、このような遊歩道を歩いていく。
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森の中の散策は、すごく気持ちがいい。
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この地域の地質が石灰質であるためか、湖水はエメラルド色で、
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何故か異常なまでに透き通っている。
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湖の底の様子まで透けて見える。
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魚もたくさん寄ってくる。
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エメラルド色の水の中に魚の姿が浮かび上げって見える。なんだか不思議な光景だ。
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遊歩道の脇にはこの様なかわいい花々が咲いている。
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緑の中に原色が映える。
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湖と湖はこのように滝で立体的につながる。
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それぞれの滝には名前が付いていて、特徴を表していて面白い。
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何といっても、このプリトヴィッツェ湖群は高いところから見下ろす景色が美しい。
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湖と湖を滝がつなぐ間に遊歩道が通っている。
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これが有名なプリトヴィッツェの景色、立体的に湖がつながる。
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この景色はある場所に行かないとみることが出来ない。散策ルートの中には入っていないルートも多い。インフォメーションセンターの人に写真を見せて、この景色が見える場所をと教えてもらった。これを見なくてはここに来た値打ちがないのだ。
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この美しい景勝地も1991年のクロアチア紛争ではセルビア人に占拠され、一時はユネスコ世界遺産の危機遺産リストに登録されたことがあった。
次回はボスニア紛争の戦場と化したボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボを訪れる。

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第49回 クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナの旅3:戦禍の街サラエボ

次に訪れるのは、クロアチアの隣国ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボ。サラエボと聞いて、どこの国?と考える人が多いと思うが、サラエボ・オリンピックというと覚えている人も多いだろう。1984年に行われ、カタリナ・ヴィット選手らが活躍した冬期大会だ。当時はまだユーゴスラビアであったが、その後に分離独立した。ボスニア紛争では1992年から4年間にわたり敵軍に街が包囲され、多くの犠牲者を出した。これらの写真は2005年8月当時のものである。
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プリトヴィッツェから陸路ボスニア・ヘルツェゴビナ国境へ。クロアチア側に比べシャビーな国境だ。
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職員の事務所もこんな様子。経済格差を感じる。
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山間ののどかな農村地帯を走る。
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道中、所々の店先でこのような光景を見た。豚の丸焼き?と思っていたが、ここはイスラム教徒の多い国、羊の丸焼きだった。間近で見ると結構グロテスク。
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その名も「サラエボ・ビール」、国際コンクールで何度も賞を取ったビールらしい。
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サラエボに向けて走っていく。今回の写真の多くは、カメラを向けづらい被写体が多く、車の窓越しに撮ったものがほとんどなので、写真のできはご容赦いただきたい。あくまでも雰囲気が伝わればと思う。
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何の変哲もない普通の街の光景だが、家の外壁には生々しい銃弾の痕がいっぱいだ。
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今は普通に生活をしていて、生活感がある家だけに、傷跡が生々しく感じる。
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水玉模様のように銃弾の痕が残っている。
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そろそろサラエボ市内に入ってきた。
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今はこのようなモダンな建物も見られるようになった。
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市内中心部にある象徴的な高層ビル。
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銃弾の痕で廃墟のようになったままだ。
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瓦礫のようになったビルもそのまま放置されている。
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このような商業ビルさえ、銃弾の痕がいっぱいだ。
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市の中心部から少し離れた、オリンピック会場を目指す。
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今回サラエボに来た目的はこのオリンピック会場の様子を子供達に見せるためだ。
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五輪のマークが何かもの悲しそうな塔。
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かつてのオリンピック会場は今、ボスニア紛争の多くの犠牲者が眠る、広大な墓地となってしまっている。
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これらは恐らくイスラム教徒のお墓、宗教によってグループ分けされているのだろうか。
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平和の祭典であるオリンピック会場が、戦争の悲しみの場所と化している。何とも皮肉な話だ。
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旧市街にある職人街、バシチャルシァ。色んな土産物屋が並ぶ。オスマントルコの影響を受けた建物が何ともオリエンタルな雰囲気を醸し出す。
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観光客で賑わう観光地になっている。
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ユーゴスラビア時代1970年代にフィアットをライセンス生産した、ユーゴスラビア製の車「YUGO」

次回は平和再建の象徴、世界遺産のモスタルへ。

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